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フェード現象とは?【長い下り坂でブレーキが効かなくなったら疑うべき】

車の走行中、ブレーキ酷使しすぎると起こる「フェード現象」。フェード現象が起こると車の要(かなめ)であるブレーキが著しく効きにくくなり大変危険です。

今回はそんなフェード現象について詳しく解説していきます。

☑本記事でわかること
  • フェード現象とは何か?
  • フェード現象の対策方法
  • 万が一フェード現象が発生してしまった時の対処方法

フェード現象を学ぶことで、もしもの時の対応力が変わってきますので一緒に学んでいきましょう!

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【なぜ起きる?】フェード現象とは?

走行中にブレーキを連続して使用することで、ブレーキの効き(制動力)が低下すること。

フェード現象が発生する理由は、

  • ブレーキの連続使用によりブレーキパッドに使用されている摩材が耐熱温度を超える。
  • 魔材が分解・ガス化し、これがブレーキローターとの間に入り込む。
  • ガス膜が潤滑油のような働きを起こし、摩擦係数が低下する。

といった流れで発生します。

そのため構造上、フェード現象は熱が逃げにくいドラムブレーキに発生しやすく、ディスクブレーキは発生しにくいです。

そのため、ブレーキの負担が大きいフロントのみディスクブレーキである車が最近は主流になっています。

☑フェード現象を起きにくくするためにブレーキには工夫が

ちなみに、「フェード現象」を起こしにくくするためにブレーキパッドの中央には縦溝が入っており、これはたまったガスを排出する仕組みになっています。

またスポーツ用のローターにはスリッドと呼ばれる切れ込みが入っており、これも「フェード現象」の対策になっています。

ベーパーロック現象と何が違う?

べーパーロック現象は、ブレーキの熱がブレーキフルードを沸騰させて、気泡が生じることでブレーキが効かなくなる現象です。

ブレーキの熱は、まず「フェード現象」を引き起こし、次に「べーパーロック現象」を引き起こします。

ベーパーロック現象について、詳しくは「ブレーキが効かなくなるベーパーロック現象とは?修理費用は?」で解説しています。

フェード現象の対策方法

  • 対策①:【日常点検】ブレーキパッドの状態を確認する
  • 対策②:【長い下り坂】エンジンブレーキを活用する
  • 対策③:【長い下り坂】ポンピングブレーキを使う

【日常点検】ブレーキパッドの状態を確認する

ブレーキパッドは残量が少なくなったら交換をしましょう。

残量の少ないブレーキパッドは耐熱温度が下がるため「フェード現象・べーパーロック現象」を引き起こしやすくなります。

交換する目安は、ブレーキがキーキーなり始めたら。

ブレーキパッドにはウェアインジケーターと呼ばれる金属がついており、パッドが消耗するとこの金属がローターに接触して甲高いキーキー音がなるようになります。

基本的に、キーキー音が鳴ったらブレーキパッドの替え時なので交換を依頼しましょう。

対策②:【長い下り坂】エンジンブレーキを活用する

峠などの長い下り坂などは、エンジンブレーキを活用してブレーキを踏む回数を減らしてあげましょう。

ブレーキを踏む回数を減らすことで、ブレーキを冷却する時間が生まれるので「フェード現象」が起きにくくなります。

パドルシフトやSレンジ・OBオフを活用して、エンジンブレーキを強めてあげましょう。

エンジンブレーキに関して詳しくは以下の記事でも解説しています。
》【誰でも使っている】エンジンブレーキとは?【エコ運転に必須】

対策③:【長い下り坂】ポンピングブレーキを使う

とはいえ、エンジンブレーキを活用しても車が加速してしまう強烈な下り坂の場合は「ポンピング」ブレーキを使うのも手段の一つ。

ブレーキを踏む時間を短くしてあげることで、走行風によってブレーキを冷やす時間が生まれるため、「フェード現象」を起こしにくくなります。

以上の3つの対策を行うことで、現在の高性能な車はまずフェード現象を起こすことはないです。

フェードが起きてしまった時の対処方法は?

サーキットでもない一般道から高速道路での使用で「フェード現象」は起こる可能性は低いと言えます。

とはいえ、トラブルというのは想定外なことが起こりますよね。。

なので、安全のためにもフェード現象が起きた時の対処方法を知っておいて損はないので紹介していきます。

フェード現象の対処方法は、以下2点です

  • 等速で巡航できる場合は、そのまま走行風でブレーキを冷やすことを心がける。
  • 下り坂などの場合は、早めに安全な路肩へ停車する。

等速で走っていられる場合は、車間距離をたっぷりとってそのまま走行しましょう。

下り坂など、車の速度がどんどん上がってしまう場合は、まだブレーキの制動力があるうちに早めに停車してください。

フェード現象の初期はブレーキが効きにくくはなっているもののまだ効く場合がほとんどです。

そのまま放置すると、「べーパーロック現象」も引き起こし、最悪止まれなくなってしまいます。

フェード現象が発生したら、エンジンブレーキを使用して安全に減速しましょう。

まとめーフェード現象は対策が大事

  • 【日常点検】ブレーキパッドの状態を確認する
  • 【長い下り坂】エンジンブレーキを活用する
  • 【長い下り坂】ポンピングブレーキを使う

ブレーキトラブルは、走行前の点検とエンジンブレーキの活用が大切です。

もしフェード現象が起きてしまったら、初期症状のうちに停車できると大きなトラブルを回避できます。

正しい知識をもって安全に楽しいカーライフを送ってくださいね。