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ベーパーロック現象とは?【対処方法から修理費用まで解説】

どうも、週末レーサーのドラプレ君(@PleasureDriving)です。

車の走行中、ブレーキを使いすぎて高熱になり、ブレーキフルードが沸騰してしまうとベーパーロック現象を引き起こします。

ベーパーロック現象は、車の制動力を失う大変危険な現象です。

今回はそんなベーパーロック現象のメカニズムから、対処方法と修理費用について詳しく解説していきます。

☑本記事でわかること
  • べーパーロック現象とは何か?
  • べーパーロック現象の対処方法
  • べーパーロック現象後の修理費用はいくらか

それでは、「ベーパーロック現象とは?【対処方法から修理費用まで解説】」について書いていきます。

ベーパーロック現象とは?

「べーパーロック現象とは」ブレーキを酷使した際に、フルードが沸騰し、気泡が発生することで油圧が保持できなくなり、ブレーキの効きが著しく悪くなる現象です。

ブレーキフルードは、耐熱性を高めるため、沸点を高めて沸騰しにくい製品になっていますが、その沸点を超えて、ブレーキからフルードに熱が伝わってしまうと発生します。

ベーパーロック現象が起きるとドライバーはどう感じる?

それはブレーキの踏みごたえが無くなることです。

気泡の入ったブレーキフルードはブレーキ内のピストンを押し出す圧力がかからなくなり、結果的にブレーキが効かなくなります。

初期症状は、踏みごたえがなくなってきたと感じるだけですが、そのまま症状が進むと、ペダルがフロアまでついてしまい、全くブレーキが効かなくなります。

フェード現象とは何が違う?

似たようなブレーキトラブルで「フェード現象」と呼ばれるものがありますが、フェード現象はパッドが摩擦熱によりガス化し、パッドとローターとの間に入り込むことで制動力が低下する現象です。

使用している製品や、使用年数・状態にもよりますが、構造的に摩擦熱が発生するブレーキパッドよりも、ブレーキフルードの方が熱が伝わりにくく、

ブレーキフルードが起因で起こる「ベーパーロック現象」が起きてしまった時には、パッド起因の「フェード現象」が同時に起きている場合が多いです。

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ドラプレ君
ドラプレ君
フェード現象もべーパーロック現象もブレーキ熱が原因だけど、フェードは「ブレーキパッド」、べーパーロックは「ブレーキフルード」が起因になっているんだね。

ベーパーロック現象の対策方法【事前編】

では、そんな起きてしまうと恐ろしい、ベーパーロック現象の対策は何ができるのでしょうか?

対策は、以下の3つになります。

  • 対策①:【点検】ブレーキフルードの状態を確認する
  • 対策②:【長い下り坂】エンジンブレーキを活用する
  • 対策③:【長い下り坂】ポンピングブレーキを使う

対策①:【点検】ブレーキフルードの状態を確認する

ブレーキフルードは、最低でも2年に1回(車検ごと)交換しましょう。

ブレーキフルードには、「DOT」と呼ばれる基準があり、主成分とドライ沸点・ウエット沸点を元に決まっています。

ブレーキフルード 性能評価

新品のブレーキフルードは、ドライ沸点の性能があります。

これは、DOT4であれば、最低でも230℃の耐熱性能があると言うことです。

しかし、水分を吸収しやすい性質をもつブレーキフルードは、約1~2年使用するとウエット沸点の耐熱温度しか発揮できなくなります。

一般的に高性能なDOT4規格のドライ沸点が230℃に対して、ウエット沸点は155℃とおよそ「75℃」の耐熱性能の劣化が生じます。

そのため、ブレーキフルードは最低でも車検毎の交換が望ましいといえるでしょう。

対策②:【長い下り坂】エンジンブレーキを活用する

峠などの長い下り坂などは、エンジンブレーキを活用してブレーキを踏む回数を減らしてあげましょう。

ブレーキを踏む回数を減らすことで、ブレーキを冷却する時間が生まれ、ブレーキトラブルが起きにくくなります。

パドルシフトやSレンジ・O/B(オーバードライブ)オフを活用して、エンジンブレーキを強めてあげましょう。

エンジンブレーキに関して詳しくは以下の記事でも解説しています。
》【誰でも使っている】エンジンブレーキとは?【エコ運転に必須】

対策③:【長い下り坂】ポンピングブレーキを使う

とはいえ、エンジンブレーキを活用しても強烈な下り坂では、車が加速してしまうでしょう。

そんな時には「ポンピング」ブレーキを使うのも手段の一つ。

ブレーキを踏む時間を短くすることで、走行風によってブレーキを冷やす時間が生まれ、「ベーパーロック現象」を引き起こしにくくなります。

以上の3つの対策を行うことで、現在の高性能な車はまずベーパーロック現象を起こすことは少ないといえます。 

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ベーパーロック現象になったと感じたときの対処方法

もし、ブレーキの踏みごたえがなくなるなど、「ベーパーロック現象」が発生したと思ったら、早めに停止してください。

べーパーロック現象は初期症状のうち(ブレーキがまだ効くうちに)対処しないと大変危険です。

ブレーキの熱が冷め、ある程度時間が経てば多少症状が緩和することがあります。

しかし、残念ながら「ベーパーロック現象」によりブレーキフルードに気泡が入ってしまうと元の状態には戻りません。

そのため、ベーパーロック現象がおきたら、ブレーキフルードの交換作業を必ず行いましょう。

ブレーキフルードの修理・交換費用は?

 

カー用品店などのお店でのブレーキフルードの交換(修理)相場はだいたい4,000円くらいです。

一度べーパーロック現象を起こしてしまうと、ブレーキフルードの劣化が進んでいることと、ブレーキフルードに発生した気泡を抜く「エア抜き」という作業が必要なので、すぐに交換した方が得策です。

ブレーキフルードの交換費用について詳しくは、ブレーキフルード交換費用は?作業してくれるお店と料金比較でもまとめていますので参考にしてみてください。

ベーパーロック現象-まとめ

本記事は、「ベーパーロック現象とは?【対処方法から修理費用まで解説】」について書きました。

  • 対策①:【点検】ブレーキフルードの状態を確認する
  • 対策②:【長い下り坂】エンジンブレーキを活用する
  • 対策③:【長い下り坂】ポンピングブレーキを使う

ブレーキトラブルは、日頃のメンテナンスとエンジンブレーキの活用が大切です。

古くなったブレーキフルードは茶色に変色していますのでそうなったら交換が必要です。

また、サーキットなどを走る人は、ブレーキフルードを高性能なものを利用するのも手でしょう。

ご自身のカーライフに合わせてベストな製品をチョイスしてみて下さいね!